以前、会社員をやっているときは神楽坂に勤めておりました。泊まり込みも多かったのでほとんど住んでるみたいでした。
いいお店が多いところです。
怪しい客も多いところです。
わたしは中国が改革開放路線だった頃、某焼き鳥屋で中国海軍の少将という方を紹介されました。「うちに来れば銃でも砲でも戦車でも、撃ち放題で遊ばせてあげる」というお申し出でしたが丁重にお断りしました。心惹かれたけど。
さて、出会った客の怪しさではこちらのお店には負けまするな。何せ天下人に妖怪に神ですから。そして実にうまそうに呑む。
つまみの方も面白いものが出るんでしょうかね?
神楽坂に行ったら実在するかもしれません。探してみましょう。
この作品は、神楽坂にひっそりと佇む日本酒バーを舞台に、歴史上の人物や神様、妖怪たちの意外な素顔を描いた連作短編です。
特に印象的だったのが、妖怪というだけで他の店から断られてきた河童を、マスターたちがごく普通のお客様として迎えるところです。人間とは違う存在でありながら、酒を飲んで酔い、互いを大切にできればいいと語る姿には、この作品の優しい世界観がよく表れていると感じました。
また、歴史上では大きな因縁を持つ人物たちが、時を越えて同じカウンターに座り、酒を交わしながらわだかまりを解いていく展開も印象的です。
単なる歴史上の人物や妖怪を登場させる物語ではなく、伝承では語られない悩みや家族関係、何気ない会話を描くことで、特別な存在にも人間らしい一面を感じさせてくれるところが、この作品の大きな魅力だと思います。
序盤までの紹介となりますが、次はどんなお客様が御風路の扉を開き、どんな素顔を見せてくれるのか、これからも追いかけて行きたいと思います