自分で選ぶことが最も大切
人間と動物の大きな違いとはなんだと思いますか?
私は自己表現することだと思います。
誰かを傷つけないのであれば、自分自身を自由に表現することは素晴らしいことだと考えています。
◆ 自分の好きなことを、選んで良い。選ぶべき。
私は若いころ世間体や見栄えというものを気にする性格でした。
その当時はカッコよくなければいけないとか、いい学校・会社に進んでそれなりの歳に結婚して…という、社会が作り上げた幻想のひな型を信じていました。
ところが2011年に東日本大震災を経験した時に、揺れるオフィスの机の下で一人思いました。
「私の人生はこの会社で、このオフィスで終わるのか?そんなの嫌だ。もっと好きなことを仕事にしたかった。もっと楽しいと思える毎日を過ごしたかった。」
死を意識した約40分間の揺れの中、私の頭の中はただその考えだけが占めていました。
その頃私は、興味はないけれど条件面で良い会社に勤めていました。
毎日行きたくないと思いながら通勤していました。
そんな中被災し、自分が選んだ何もかもが間違いだったのかもしれないという不安と、これまでの価値観が根底から崩れそうな予感して、激しく戸惑いました。
「これまでの自分は、周りが良いとするひな型に囚われすぎて、自分で好きなものを選んでいなかったのではないか? いや、仕事だけではない。これまで自分がしてきたすべての選択はどれも間違っていたのではないか?」
その日から自分の過去のすべての言動に幻滅して、精神的に揺らいでしまいました。
自分の生きてきた数十年を振り返ることは精神的苦行でした。いわばショック療法のようなものです。
軽はずみな気持ちでは決して行わないようにしてください。
それをしなくても済むように、この本を書いています。
◆ 心に一本、軸をもっていれば大丈夫
そんな中、同じ職場にある方が期間限定の契約で入社されました。
詳しくはお話されませんでしたがこれまでに様々な経験を積んでいたようでした。今思うととても大らかなオーラのある、まるで菩薩様のような方でした。
私が震災後、鬱々として過ごしていたことは、周りの人には告げていなかったのですが、偶然二人でランチする機会があった時に、ふと告げたくなりました。
「私、この会社辞めようと思っているんです。」
すると優しい笑顔で私を見つめて言いました。
「それも良いのではないですか。人ってね、心に一本ぶれない軸を持っていれば、何処にいても、何をしてても大丈夫なんですよ。だから安心してくださいね。」
その言葉に後押しされ、一片の悔いもなく退職できました。
その方とは本当に短期間一緒に働いただけでしたが、今でもその言葉は私の中心で輝いています。
もう繋がりはないけれど、彼女は確かに私のメンターです。
人生の中で瞬きのような短い時間しか一緒ではなかったけれど、鮮烈に記憶に残る出会いというものがあるのです。
私はその方との出会いに心から感謝しています。
そしてその経験を経て、周りの趣味趣向や意見など、「こうでなければいけない、こうしたほうが賢い」という価値観の呪いに囚われることなく、自分の軸を信じて、好きなものを選ぶべきだと学びました。
◆好きなように楽しく生きてくれた方が、周りも気が楽
少し視点を変えてみます。
あなたに大切な人がいて、その人が見えない価値観というもの縛られて、嫌な事を毎日こつこつこなし、そしてストレスを溜めて帰ってくる姿を見て、どう思うでしょうか?
または、あなたの大切な人が、周りに迷惑はかけない範囲で、でも、好きなように面白おかしく生きていたら、どう思うでしょうか?
私であれば、大切な人には絶対に後者であってほしいと思います。
私の祖母がまさにそんな人でした。
朝ドラにもできるような波乱万丈な人生で、思い切り好きなように生きた女性だったと思います。
私は、いつも溌剌として明るい彼女が大好きでした。
そして亡くなった時はとても悲しかったのですが、彼女が本当に楽しく生き抜いたのを知っていたので悲しみの湿度とでもいうような、心にまとわりつく黒いものがあまりありませんでした。
もちろん寂しかったのですが、今では皆で「本当に思い切り好きなように生きた、楽しい人だったよね!」と、笑顔で語らうようなそういう存在になっています。
何が言いたいかというと、自分が好きなように生きたほうが、周りの人も一緒にいて楽しいし、安心するはずだということです。
自分が死んだ後に周囲の人に思い出される時、笑顔で語ってほしいと思いませんか?
そうであれば自分こそが、今を楽しく生きれば良いのです。
それぞれが楽しく自分自身の人生を生きていくことが、思い合う大切な人同士が幸せになれることなのです。
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