描写も表現も何もかも味わい深いというのはそうなのですが、読み終えてしばらく経つと、作者さまの年齢が気になって仕方なくなりました。老夫婦の何もない話。ふと出てくる言葉とか表現が、長い人生を生きて終わりを待つだけの人そのもので、どうやったらこんな表現ができるのだろうと驚きの気持ちでいっぱいです。そして、もっと主人公の気持ちになりたくて自分ごととして読み直すと、他人の人生を味わえたようなそんな気にさせてくれました。「読書体験」とはまさにこういうことだなと思わせてくれた作品です。