越前和紙の産地で暮らす小学6年の未雪は、過去のトラウマから作文が大嫌い。
ある日、人間国宝の祖父を持ち、クラスで少し浮いている冬也の家へ宿題を届けに行くことに。
「越前和紙」の伝統と歴史が息づく情緒ある世界観が大きな特徴です。
日本有数の和紙の産地を舞台にしているため、和紙づくりの工程や職人技の描写も深くて楽しめます。
方言の描写が地方都市のリアルさを表現しており、読みながらほっこりした気持ちになりました。
なにより小学6年生のリアルな心理描写に思わずうなる場面が何度もあり、「紙」と「神」の対比など、読めば読むほど発見がある物語です。
大人たちの間の確執がありながらも、学校という小さな社会で繋がる子どもたち。
伝統ある「紙」の街で紡ぎ出す豊かな物語を多くの人に楽しんでもらいたいです。
人間模様がとても上手く書かれていると思います。
小学生ってこんな感じだよなぁとか、大人になって仕事の悩み、環境で友達との関係性とかが変わっていく。そんなあるあるだよなぁと、等身大の人間の姿が書かれていると思いました。
主人公の未雪ちゃんですが、自分が無器用だからと、すぐにあきらめたり逃げ出したりしてしまう。でも、何か反発されたり、お前には無理だと言われたら、負けず嫌を発動します。本当に普通の子という感じで、一番身近に感じ彼女と成長できるお話になっていると思います。
それから、個人的な推しは多田くん。めっちゃ紙漉きオタクです。普段寡黙なのに面白いくらい饒舌になります(笑)そして、あんまり乙女心わかってないんですよね。そういうところも彼の魅力だと思います。
物語を通して、紙の歴史や作り方の勉強にもなります。
文章も美しいので読み始めたら止まらなくなります。一度読んでみてほしいです。