高槻の公園で暮らす白ブリーフ姿の老人・清一が、幽霊の妻の腰痛を治すため「聖なる湿布」を求めて旅に出る――この時点で強烈なのに、出会う面々も筋肉主婦やムエタイ使いなど癖の強さが振り切れている。しかし笑いと勢いだけで終わらないのが本作の魅力。奇妙な冒険が進むほど、物語は“存在とは何か”という深い問いへと静かに舵を切る。コミカルな外側と哲学的な内側が絶妙に噛み合い、読み終える頃には清一の旅がただの珍道中ではなかったと気づかされる一作。