ヒロインのジャミーラ・シャマルは悪魔の民と言われ、友人もなく、肩身の狭い思いをしていました。
それでも、過去、自分が救われた経験から聖騎士の夢を持ち続けています。
やがてジャミーラが出会うアルテリス、ムスタファ。
彼らもまた、それぞれが、それぞれの隠し事、想い、戸惑いなどを抱えています。
それでも、彼らはその思いを抱きながらも、その姿勢や行動は常に真っ直ぐに思えます。
二人の出会いから、ジャミーラは、一つづつ確実に、自分の夢である聖騎士になるために行動していきます。
どんな逆境でも、しっかり前を見ようとする彼女の気高い精神も魅力です。
それ以上に、孤独だったジャミーラが、一人、また一人と味方、よき理解者、友人が増えていくなかで、自分の「居場所」を自覚していく彼女の姿に胸が熱くなります。
個人的はアルテリス、ムスタファの隠し抱えている思いがとても気になっています。
重厚な世界観と、五感に訴えかける美麗な情景描写に一瞬で引き込まれる傑作です。
3年前の“大厄災”によって心に深い傷を負い、偏見に晒されながらも気高く「神聖術師」を目指す令嬢・ジャミーラ。
――そして、感情を持たない陶器人形のように冷徹に義務を遂行する王子の側近・アルテリス。
交わるはずのなかった光と影の二人が出会い、不器用ながらも互いの足りない部分を補い合おうとする心の機微が、本当に繊細かつドラマチックに描かれています。
王室のしがらみや『魅惑の悪魔』と呼ばれる王子の思惑など、張り巡らされた伏線と不穏なサスペンス要素も秀逸で、一度読み始めたらもう止まりません!
王道ファンタジーのワクワク感と、切なく胸を打つ人間ドラマを求めているすべての方に、ぜひおすすめしたい作品です!
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序盤までの紹介となりますが、この作品は、偏見や立場の違いに苦しむ少年少女たちが、互いの存在によって少しずつ前へ進んでいく物語だと思います。
特に印象的だったのは、周囲から避けられているジャミーラが、暴行を受けていたアルテリスを助ける場面です。二人ともそれぞれ孤独や苦しい過去を抱えているため、図書館で少しずつ信頼を築いていく流れに自然な説得力がありました。
また、ジャミーラとムスタファの婚約が、単なる恋愛関係ではなく、互いの目的を守るための契約として描かれている点も興味深いです。そこへアルテリスをめぐる秘めた想いが加わり、それぞれが相手を思いやりながらも、気持ちがすれ違っていく関係性が物語の大きな軸になっています。
結界石や瘴気、神聖術といった設定も、ジャミーラが聖騎士団見習いとして成長していく展開へつながっており、恋愛だけでなく戦いの物語としても広がりを感じました。
複雑な世界観と人間関係がどのように結びついていくのか、これからも追いかけていきたい作品の一つです。