居眠りしていたはずの午後の教室から、ミユは突然知らない湖の村へ迷い込む。
頼れる人も帰る方法もない不安の中で、彼女を受け止めてくれたギルド受付のユノの温かさが、物語の最初の灯になります。
ご飯を食べ、眠る場所を決め、魔法や仕事を覚え、レオンやティアという仲間と出会う日々は穏やかで、読者にも“この村で暮らしてみたい”と思わせるほど心地よいものです。
しかし、湖や森に潜む魔物の気配、世界の異常につながる小さな違和感が、優しい村の奥にある“帰れない理由”を静かに示していきます。
見てしまったものを見なかったことにはできない──
ミユが仲間と共に、その理由へ踏み込んでいく過程が胸に迫る、温かさと不穏さが美しく同居するファンタジーです。