勇者選抜に落ち、迷い猫探しで日銭を稼ぐカイルに下ったのは、国王からの異例の依頼──帰らぬ勇者たちを連れ帰ること。魔王討伐へ向かった五十四名の行方は曖昧なまま、死亡届すらない者も多い。勇者になれなかった青年が、親友アルフレッドを含む彼らの足跡を辿る旅に出る姿は、静かな決意と優しさに満ちている。“どんな形であれ帰れるなら”という願いを胸に、カイルは危険と喪失の残滓が散らばる道を歩む。勇者の影を追う物語でありながら、彼自身が勇気を見つけていく成長譚としても心に残る一作。
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