ベラは恋をしたから救われたのではない。誰にも気付かれない小さな優しさと、そっと寄り添い続けるヘンダイルの変わらない想いに触れ、止まっていた彼女の時間は少しずつ動き始める。人は、誰かの優しさによって、もう一度「生きたい」と思える。そして、もう一度「夢を見たい」と願える。これは、一輪の青い花《ミオソティス》から始まる、傷ついた心が未来を信じ、再び夢を見つけるまでの物語。水の都に咲く、小さな恋と再生のファンタジー。【レビューコンテスト応募】
花びらが散るような、そんな作品でした。とても心に残りました。すごく面白かったです。文章の書き方とか、内容がすごく好きです。淡い作品でした。そして、「聴こえる。人魚の歌が」の応援、ありがとうございます。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(248文字)
花の名が物語を紡いできますそれは美しくも少し儚げな雰囲気その背景と過去においてのつながりを花が橋渡していく…
かつての傷からヴェールを抱えて泣いていた夜を、彼は言葉ではなく「発明」と「花」で塗り替えてくれました。繊細な筆致で描かれる水路の街の情景や、指先に残る油の染み、そしてグラスの中に咲く氷晶華……。五感に訴えかけるような美しい描写の数々に、自分もその場にいるような心地よい錯覚を覚えました。全4話という短編ながら、長編一本を読み終えたような深い満足感があります。読後、心に青いミオソティスが一輪咲いたような、温かな余韻に包まれました。