第7話 拠点を作ろうかどうか
レシアムとのデュオキャンプをすることは決まっても、そこそこの拠点となる場所は決めていきたい。
ここいらだと、まだ城から近かいのでダメ。だから、少し奥まったところに移動することにした。
魔力はまだ大丈夫だけど、そこまで急ぎ足にならなくても追っ手の来る気配がないから大丈夫だと思うのよね? 態と残してきた氷のスロープには、魔力の偽装をかけてきたの。師でもあった、宮廷魔術師くらいじゃないと多分わかんないくらいには頑張ってみた。
だから、普通くらいに魔力感知できる相手じゃ無理だと思う。そう、このとき私はそんな自信があったの。
「水辺の近くにはいたいから、上流を目指していく?」
『滝の方もいいよ~。フーリスみたいな面白おかしな食材が生えている可能性が高いし」
「不思議美味しい食材、大好きよ~! ファンタジーな世界の醍醐味ね~」
『ぼくも美味しいの好き~』
「途中で収穫できそうなのあったら、教えてね~?」
『もちろん』
と言っても、そんな簡単に見つかるわけではなかった。シェルンもだけど、平地の方が多かったのか、ほかの食材っぽい木の実とかはあんまり見つからなくて。
代わりに、薬草とかはあったんだけど……薬草学はまだ習っていなかったから、却下。治癒魔法に関しては、少し習っているから切り傷くらいまでなら完治出来る。……それ以上にならないように気を付けるわよ?
「どこかに、山小屋で使ってないところとかあるかしら??」
『小屋ねぇ? ほかの宝石族が使っている可能性もあるよ?』
「……こんな山奥まで、来るのかな?』
「マリンのように、逃げてくる子とかいないとは言い切れない』
「……たしかに」
とくれば、ここはもうひとつの手段を取ることにした。
ないなら、作っちゃえばいいって発想よ!! 倒木とかを探してインベントリに入れて……広い場所に出たら、そこに小屋を作るの。構造は、ちょっと考えているのがあって……。
『……マリン? なんで、地面を少し掘ってるの??』
「寝床を作るためと、支柱を立てやすくするためよ?」
前世の学校で、授業では建築設計とか習ったりしないから……歴史の授業にあった『~~式住居』とかを参考にしてみたの。地面を私の背丈分、魔法で穴を掘って。中央に支柱にする箇所用の穴もしっかりと。
そこへ浮遊魔法で、レシアムといっしょに操作して支柱を立てたら……特殊な木の皮をよじって合わせて作った長い紐を、支柱が落ちてこないように括り付けて四方に固定。
『……変わった立て方だね?』
「ここからが本番よ!」
九州地方なら、南国風の樹木が植えられているから……バナナの葉のようなものとかがあるんだけど。この異世界にはそんなにも大きい葉っぱがないから、そこはカットして皮も剥がした木で隙間を丁寧に埋めていく。
これにも浮遊魔法でたくさん魔力を使ったわ。途中、少し疲れたのとそれなりに時間が過ぎていたので……もうひとつ試したい方法もあるから、中に入って焚火を起こした。
『煙が良い具合に上に登るね?』
「それとたしか。木を丈夫にしてくれる殺菌効果もあったはずよ?」
『さっきん?』
「虫を寄せ付けないとか?」
『へぇ~?』
ほとんどうろ覚えだけど、前世も大学生で死んじゃったから正しい知識なのかもわかっていない。
でもでも、それなりに面白い立て方が、ちゃんと出来ているのもゲームじゃないから作り甲斐があるのよね?
フーリスとシェルンでお腹を満たしてから、ちょっと眠くなったので休憩も兼ねて毛布にくるまって寝ることにした。
レシアムは、追っ手がこないかどうかを確認するのに外で見張っててくれるって。可愛いけど、頼もしい相棒がそう言ってくれるから、安心してぐっすりと眠れることが出来たわ。
次起きたら、日が陰っていて、夕方近くになっていたんだもの。
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