人は目の前から当たり前の日常が崩壊するとき心に何が湧き起こるでしょうか。激しい憎しみや悲しみでしょうか。それとも恐ろしく亡われた感情でしょうか。そのとき人は死を迎える際に抱く感情は救いようのない恐怖でしょうか。それとも救いを差し伸べる希望でしょうか。すべてを失いかけたその時、その境地に至るのは偶然か必然か。冷笑的な紫陽花が呼び起こす、鮮烈に蘇る記憶が生々しい。彷徨い続けた心の先に流れた一筋の感情に、どこか救われる心地が印象的な作品です。