光とフェルトのカップルは、結婚式からいきなり謎の世界へ行ってしまう。二人は記憶を失い、火山の噴火する世界で生きていくことに。
どこからともなく増える人間たちと協力し、狩りをしたり家を作ったり……やがて彼らは高度な文明を築くこととなる。
だが、チート能力で楽々いい生活ができるようなものではない。
あちらを立てればこちらが立たず、争いになったり格差が生まれたり。理想の世界を創ろうとして、できていくものとは……?
果たして世界は、そして光とフェルトは、どうなってしまうのか。
ぜひ『二〇二〇年、地球に『転移』してきた新大陸を、親父の遺骨と位牌を持って旅することになった僕の話。』と一緒にお楽しみいただきたい。
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未知なる大陸で文明を築き、発展させていく物語。
それは人類の歴史をなぞるようでもありますが、石器時代から現代までをたったの1年でたどるので、壮大なシミュレーションを鑑賞しているようでもあります。
本作は互いに送り合うメッセージを読んでいく形式で話が進みます。
メッセージを送る相手は妻や各地域の人たち。大陸が発展するにつれ、相手の種類はどんどん増えていきます。
そのメッセージはグループLINE、あるいは警察無線のイメージで、全員が聞ける仕様だから、読んでいるだけでも自分も参加している気分を味わえて楽しいです。
本作は同時連載されていた『二〇二〇年、地球に『転移』してきた新大陸を、親父の遺骨と位牌を持って旅することになった僕の話。』と密接な関係があり、そちらも同時に読むとさらに楽しめます。もちろん、単独でも楽しめます。
人類の発展の歴史がぎゅーっと圧縮されたような、高濃度の物語となっています。
感慨深いラストが待っているので、ぜひ彼らとともに歴史を歩んでみてください!!
『文明』や『歴史』というものがどんどん紐解かれていくという、強烈な知的興奮を味わえました。
本作は主人公の光とフェルトが結婚することから始まります。二人はとある土地に行き、どんどん文明を開拓していくことに。
フェルトはかなりのアグレッシブな性格で、敵対する国家をどんどん攻略(というか侵略)するような、まさに「蛮族」ば行動力に満ちています。そうしてどんどん軍事的にも版図を広げることになるのですが、その際に「急速に」、そして「合理的に」彼らは手持ちのカードを増やしていくことになります。
戦争を有利に進めるために必要なもの。国家を運営していくために必要なもの。
人類がこれまでに「統治」のために築き上げてきた様々なものを、光たちは短期間で発展させていくことに。
宗教だったり法律だったり経済だったり。はたまた数々の兵器だったり。
人類が数千年かけて築き上げてきた「文明」の一切合切が、本作での光たちの物語の中で急速に生み出されていくことになります。
「今度はこの概念が登場するのか」という風に、人類の歴史が超高速再生で紐解かれる様はとにかく圧巻です。
文明とは戦争によって急速に発展した、とも良く言われるように、科学技術の数々や、人類の生活基盤の発展は「外敵に打ち勝つため」に必要に迫られて開発されてきた側面も強い。
そんな重厚な歴史を一挙に味わえる、とても贅沢な作品です。
まるで不釣り合いな二人が結婚式を挙げ、新婚旅行に降り立った地は未開の大地だった。それまでの知識を忘れて、心での会話を頼りに夫婦は生きる術を探す。
引きこもりの夫は洞窟に留まり、屈強な花嫁は開拓の旅に出る。条件によって人口や文明が発展する不思議な法則性を持った世界で、正反対なアダムとイブは自分のやり方で豊かな生活を模索していく。
これはシミュレーション・ストラテジーである。指示を出し、段階的に文明を発達させていく。時には敵対勢力と戦いながら、自らの生活を豊かにしていくのだ。
ただし指示を出すのは引きこもりの夫であり、その嫁は好戦的である。謎めいた川の神の啓示を受け、増えていく民の要望に苦慮しながら打開策を講じていく。
この世で最も斬新な新婚旅行の行く末は、きっと奇想天外だろう。
新婚夫婦ってなんだか初々しいですよね?
見ていて「初々しい」というか、本人達も何をするにしても「初々しい」気分になれるというか……。
これまで当たり前にしていたことも、二人でするとなんだか新鮮……それが新婚……
そのはずなのですが、こちらの新婚さんは開始からして規格外。
記憶もない。文化もない。ないないばっかでキリがない。
それなのに二人して何も無い所から互いに行動を開始、仲間を増やして文化を築いていくのです。
でも、それだけ聞くと単なる「異世界でのお話かい?」と思うでしょ。
彼らがいる世界は、どうやら一癖も二癖もありそう。
目的は?
真の意味は?
蛮族とは?
様々な要素が複雑に絡み合い、夫婦の会話もままならぬまま、あれよあれよと次なる「声」が増えていく。
なんのこっちゃと思われたあなたは、是非ご一読を。
これ、最後はどうなるんだ?
モキュメンタリーを読みなれた方にこそ、読んでほしい。
そしてその文明の行き着く世界を、是非共有していただきたく思います。