作者自身の名前も登場する、私小説要素を含む短編です。夢幻というシンプルなタイトルで少し損をしているかも知れませんが、これは私好みの大好物ハードボイルドです。過去の自分を吐き捨てるように語り、夜社会や土方現場を経た回想を、無機質で乾いた筆致で描きます。タイトルで目に止まらなければ、このレビューで手に取ってもらえることを願います。あ、こんなレビューじゃダメかな。でも、きっと心に残る一編になります。読んでください。