巨大兵器「クローラー」の設定がとても面白いです。
大統領の派手な宣言と、現場の整備班が吐き捨てるような現実の落差が強烈で、
最初から一気に引き込まれました。
整備の手間、構造上の無理、運用上の問題が次々と見えてくる。
そのあたりの描写にリアリティがあり、整合性が取れているので説得力があります。
「格好いいロボット」ではなく、「本当に現場にあったら厄介そうな兵器」として立ち上がっているのが難易度は高いと思いますが、書き手の技術の高さで魅せてくれます。
特に、兵器そのもののロマンと、
政治的な都合で生まれた失敗作の生々しさが同居しているところが印象的でした。
最後の登場シーンで、物語が動き出す期待感が一気に高まります。
かなりワクワクするプロローグです。
かつてロボット作品で熱くなった大人と軍事SFが好きな方におすすめです。
そして、社会に出て「理想と現実の差」を感じたことがある方にも、
きっと刺さる部分が多いと思います。