第30話 隣の家

 隣の家から、何かを壁に投げたような音がする。

 毎日ではない。

 夜の七時くらいから九時ぐらいの間で、風呂場と思われる場所で、ドスン、と音がしてたまに子供の泣き声も聞こえる。


 何をしているのかわからないが、とにかく音がする。

 そんな感じだから、家賃は凄く安い。

 家賃が安くても、人はすぐに出ていく。


 夜、風呂に入ってると、隣から子供の泣き声が聞こえて来るので、皆出ていくのだ。

 仕事で疲れているのに、子供の悲鳴と暴力を振るっているであろう物音。

 それが、壁腰に聞こえる。


 出ていく奴らの気持ちがよくわかる。声が聞こえても、何もしてやれない。


 隣が空き部屋だからだ。

 

 





 

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