この作品で扱っているのは『いじめ問題』ではなく、一人一人のちょっとした選択が積み重なって大きな渦が生まれ、その中に一人の生徒がのみ込まれて消えていったというものです。
そこに個々の悪意はなく、何気ない選択しかありません。
しかし、ソーシャル・プルーフ(社会的証明)という心理が働くことにより、「みんなもそうしているから」という行動をしてしまい、ナツメという女子生徒が心に傷を負ってしまうという結果になっていました。
担任の先生すら、その大きな渦にのみ込まれて気付けなかったようです。
未成熟の生徒たちの台詞や心理描写が見事です。