災厄の業火に包まれ、帝国軍の蹂躙に直面したレドは、英雄にはならなかった。代わりに、民を守った。
抵抗が無力だったことは、言い訳かもしれない。けれど、それもまた事実だった。
英雄になるのは、きっかけがあるからではない。いつでもその準備ができているからだ。
しかし今のレドには、その覚悟がまだない。
自ら救った少女を連れ、レドは前線を離れた。安らぎがありそうに見える後方へと。
だが、その身分ゆえに——彼の日常も、彼が心に描く願いも、そう簡単には訪れない。
遠大な理想は、現実が立ち止まっても、それを追い求める力を失ったりはしない。
周囲から大きな期待を背負い、父の使命を継いだレドは——
その優しさで、少女たちに幸せを届ける。