文体が上手に制御されている。短文の積み重ねによるテンポと、心拍数の数値描写というガジェットの使い方が効いていて、レースシーンに没入感を生んでいる。 さらにその心拍が、キララを見た瞬間に跳ね上がるという場面は、主人公の内面変化を台詞なしで示す好例だ。 ふたりの関係性が非対称なのもおもしろい。 隼人は(救う)という使命感で動き、キララは(好き)という感情で動いている。互いに理由が噛み合っていないのに、行動は一致していく。その歯車のズレが物語の推進力になっている。