この作品は、現代ダンジョンを舞台にしながら、主人公の美紀が手にした力や幸運を、自分だけのためではなく周囲の人たちにも返していく優しさが魅力の作品だと思います。
小学四年生の頃から成長が止まり、養護院で暮らす美紀は、将来を左右するスキル取得でハズレ扱いされる刻印魔法を得てしまいます。ところが、転生したちび白猫のメグと小さな赤ちゃんのジョーとの出会いによって、その力が思いもよらない可能性を持っていることが分かっていきます。
特に初めてのダンジョン探索では、美紀の刻印魔法、メグの知識、ジョーの情報板が互いの弱点を補いながら機能していくのが面白く、三人で試行錯誤しながら冒険している感覚がしっかりと伝わってきました。危険な場面でも三人のやり取りが可愛らしく、緊張感とほのぼのした雰囲気が自然に両立しています。
また印象的だったのが、探索で得たお金や魔道具を使って、病気の院長先生を何とか助けようとする展開です。自分自身も決して恵まれた境遇ではない美紀が、自分を育ててくれた人のためには迷わず動く姿から、この主人公の根本にある優しさが伝わってきました。
単なるハズレスキルからの無双ものではなく、力を得た主人公が「その力を何のために使うのか」まで丁寧に描いているところが、この作品ならではの温かさだと思います。
序盤までの紹介となりますが、美紀とメグ、ジョーの三人がこれからどんな冒険を重ね、どんな幸せを手にしていくのか、これからも追いかけて行きたいと思います。
かわいい白猫と赤ちゃんに癒されるのに、やっていることは結構危険な現代ダンジョン探索で、そのギャップがとても楽しい作品です。
美紀ちゃんの語りが柔らかく、孤児院での生活や進路への不安など、決して軽くない背景があるのに、空気がずっと優しいんですよね。
メグちゃんとジョーちゃんとのやり取りも本当に可愛くて、気づけば三人組の冒険をずっと見守りたくなっていました。
特に「初ダンジョン」で、臭すぎて即脱出する流れと、そこからの“影うつちみの術”には思わず笑ってしまいました。
ほのぼのした空気と、ダンジョン世界のワクワク感のバランスがいいです。
これから三人がどう成長していくのか、続きを楽しみに追わせていただきます。