バレエを始めてわずか数日の主人公・咲。
彼女を指導するのは、公園の錆びついた鉄棒をバー代わりに、常識外れな要求を突きつける黒岩先生です。
基礎の「プリエ」すらままならず、同級生の氷室が持つタブレットのデータ解析でも「不合格」を突きつけられている咲に対し、黒岩先生はなんと「一ヶ月後の地方コンクールに出場する」と宣言します!
本作の最大の魅力は、黒岩先生の圧倒的なカリスマ性と、データを駆使する氷室の存在によって描かれる、理論と狂気が入り交じった熱すぎる指導シーンです。
重心の揺らぎがゼロという人間の限界を超えた黒岩先生の「アラベスク」を、脳内の「スロー再生」で必死にトレースしようとする咲の泥臭い姿に、胸が熱くなります。
「コンクールは勝つためではなく、自分が何者かを世界に叩きつけるために出る」という先生の言葉通り、欠陥だらけの体と「最高のバグ」を抱えた脳みそを持つ咲が、大舞台でどんな輝きを放つのか。
王道のスポ根展開とバレエの美しい描写が融合した、先の展開から目が離せなくなる傑作です!