森で倒れていた少女を助けたことから始まる物語は、最初は穏やかで懐かしいファンタジーのように見えます。
優しい時間や寄り添う旅路が続き、読者は心地よい物語の流れに身を委ねることができます。
しかし、その微笑みの奥には、まったく別の“世界の仕組み”が潜んでいます。
美しさが揺らぎ、信じていたものが反転し、物語は静かに、しかし確実にジャンルの境界を越えていきます。
気づけば読者は、森の奥から宇宙の果てへと引き込まれ、ファンタジーとSFが衝突する“もうひとつの現実”を目撃することになります。
優しさと恐怖、ロマンスと戦争、幻想と科学。
そのすべてがひとつの物語の中で連続し、反転し、加速していきます。
読み始めたときと、読み終えたときで、まったく違う顔を見せる物語です。
ジャンルの常識を軽々と裏返す、そんな作品になっています。