底辺配信冒険者を助けた赤い鎧の傭兵「レオパルドン」その名前が著者の別作品『ウォー・イン・ザ・フィクション』の英雄レオパルドと響き合っているのは偶然ではないだろう。視聴者の課金と熱狂をエネルギーに変えるという設定が、配信文化そのものを異能の発生源にしてしまう発想の鋭さを感じさせる。
「レオパルドン〇〇説シリーズ」が銀河中で乱立していく、というプロセスがこの作品の核心だと思う。古代文明の遺物か新型兵器か、それとも何か別のものか正体不明であることそのものが、デマやハッタリを呼び込み、ミームとして増殖し、最終的には神話へと変質していく。正体が明かされないまま、他者の解釈が積み重なって「真実」が作られていく構造は、現代のインターネット文化への鋭い観察だと感じた。
地球への手がかりを探すSFオタクという主人公の地に足のついた目的と、銀河規模で膨らんでいく虚像との対比が、68話というボリュームの中でどう収束していくのか気になる一作。