記憶喪失の高校生・夏冬春秋は、なんの変哲もない男子。
そこに名探偵を名乗る女子中学生カレンちゃんが現れ、助手にされてしまう。大きな事件を解決して世界が変わる話、というより、「ほとほと無駄なくだらない日常」だと作者が先に言っているのが正直でいい。
魅力は事件そのものより会話です。賢いのに、その賢さを正しい場所では使わない。無駄と言いながら無駄を愛しているテンポで、コミカルなのにときどき哲学っぽい。既存レビューの「無駄。無駄。無駄。」がそのまま作品の味だと思います。
17話完結、5万字ちょっと。読み切り感覚で最後まで届く長さです。本格ミステリを求める人より、探偵ものの皮をかぶった日常会話劇が好きな人向け。くだらないと知りつつ、そのくだらなさに心を揺さぶられる――そんな作品です。