誰かに、心の底から「会いたい」と願ったことはありますか。
すぐに会える相手ではなくて。
願っても、願っても、いつ会えるのか分からない。
それでも、ずっと心のどこかで待ち続けてしまうような存在を。
この物語を読んでいる間、私は何度も思いました。
「会いたい」という言葉は、こんなにも切なくて、こんなにもあたたかい言葉だったんだ、と。
人は、期待すればするほど傷つくことがあります。
だから時には、
もう期待しない方がいい。
願わない方が楽だ。
そうやって、自分の心を守ろうとすることもある。
けれど、それでも消えてくれない願いがあるんですよね。
そして、そんな時に隣にいてくれる誰かの存在が、どれほど大きな支えになるのか。
この作品は、それを声高に語るのではなく、日々の小さな言葉や仕草の中から、そっと伝えてくれます。
だから読んでいるこちらまで、いつの間にか一緒に願っていました。
どうか、
どうか、この人たちの願いが届きますように、と。
タイトルは『会いたかった』。
とても短くて、誰もが知っている言葉です。
でも、どうか一度、この物語を最後まで読んでから、もう一度そのタイトルを見てみてください。
きっと最初に見た時とは、少し違う言葉に見えると思います。
その一言の中に、どれほどの時間があったのか。
どれほどの願いがあったのか。
どれほどの愛情が込められていたのか。
私は、それをぜひ、あなた自身に物語の中で受け取ってほしいです。
決して大げさに奇跡を語る物語ではありません。
だからこそ、胸の奥まで届きました。
大切な誰かを思い浮かべながら読んでほしい、とても優しく、あたたかな一編です。