企画への参加ありがとうございます。
婚約破棄から始まる令嬢ものなのに、復讐や逆転劇ではなく、庭を耕しながら自分の心を立て直していく流れがとても良かったです。
彼との思い出が残るバラを抜き、トマトを植える。
その行為がただの気分転換ではなく、ロザリアが「誰かに選ばれる自分」ではなく、「自分の好きなものを育てる人」へ変わっていく過程になっていて、読んでいて穏やかに惹き込まれました。
家庭菜園の描写も楽しく、トマトやゴーヤ、土や虫の気配が、作品全体の癒しになっていたと思います。
最後にトマトが終わっても、また次の季節が来る。
失ったものを悼むだけではなく、これから育てるものを選び続ける終わり方が、とても優しく残る作品でした。