海外との文通から始まる、七年越しの交流。
でもこの作品の魅力は、ただの「ペンフレンドもの」では終わらないところにあります。
主人公とクリスが少しずつ世界を共有し、キャラクターを通して二人だけの物語を作っていく。そのやり取りが本当に楽しそうで、生き生きとしていて、「好き」を誰かと共有できる喜びがまっすぐ伝わってきます。
そして、そのために語学を学び、自分の世界を広げていく主人公の成長もとても心地いい。
一方で、七年間積み重ねてきた関係があるのに、相手を男性だと思っていたせいで、実際に会うとうまくしゃべれない。
そのぎこちなさや葛藤が、とても繊細です。
でも、イラストや創作の話になると、二人は一気に楽しそうになる。
言葉につまっても、「好きなもの」を通じてならちゃんと繋がれる。その空気感が本当に素敵でした。
読んでいると、何度もうるっときます。
大きな事件ではなく、「好きなものを大切にしてきた時間」が優しく胸に刺さる作品です。
見守りたくなる二人でした。