弟じゃないよ。
物語を通して何度も繰り返されるこの言葉が、最後にはこれ以上ない破壊力を持って、私たち読者に襲いかかってきます。襲いかかるという言葉が多分よく似合う。そう思います。
主人公アニエスは悪役令嬢でも当て馬ヒロインでも最終的に崩れる。では、とばかりに結果的に乙女でもなく、自分の人生を生きる一人の少女として、先ずは学校設立に挑むことを選びます。
その姿は非常に魅力的。そしてそんな彼女に追いつこうと努力し続けたルネが素晴らしい。
最初は彼女を「先生」と呼んでいた少年が、いつしか彼女を支え、守り、ある部分では彼女を凌駕し、結果的に未来を共に語る存在になっていく過程は、キュンキュン必須です。彼の成長を共に見守るつもりが、いつの間にか物語の中に没入してしまいます。
羊毛商会の不正事件や領地経営など物語の骨格もしっかりしており、恋愛だけに頼らない面白さがあります。それでも読者の心を最後にさらっていくのは、やはりルネでしょう。
「俺の居場所は、アニエスの隣だから」
その言葉に至るまでのすべてが愛おしい、素敵な作品です。言われてみたい。こんなこと。きっと皆様がそう思うでしょう。
個人的には、この作品の最大の魅力は「年下美少年の溺愛」ではなく、「読者だけがずっとルネの恋心に気づいていて、アニエスだけが気づかない」という壮大なじれじれ感だと思います。
そのもどかしさは、しっかり最後の婚約シーンで一気に回収されるのでご安心を。
今から読む方、これは一気読み必須です。
お手元にお茶とお菓子をご用意の上で、ぜひ一気読みで。
【レビューコンテスト応募】
大好きなアニメの世界に、悪役令嬢として転生をしている……。
王太子にチャームをかけて、公爵令嬢エレーヌと婚約破棄させようとしている悪役ムーブのなかで、男爵令嬢アニエスは、前世の記憶が蘇る。
断罪なんてお断り!
領地にさっさとひっこむアニエス。
そこで新しい出会いがあり……?!
ヒーローは、13歳、孤児のルネ。金髪碧眼のイケメンで、18歳のアニエスは、はじめ、全然、男性として意識してないのだけど、ルネからは、アニエスを好きな気持ちがだんだん、ダダ漏れになっていき……。
最後のほうは、ルネとアニエスの関係は、はじめからは予想できないような関係になっていきます。ルネが頼もしい!
作者さまが漫画を意識して書いた作品で、まるで漫画を読んでいるかのように、サクサク、軽く読んでいけます。
展開も早く、明るく頑張るアニエスを応援したくなりますよ。
面白いです!