この作品を読んでいると、不思議と子どもの頃に秘密基地へ向かう途中の気持ちを思い出しました。けん玉や独楽、本や動物たち。身近なものが魔神具となって動き出す世界は、まるで「もしも」を本気で信じていた頃の宝箱みたいです。読んでいるうちに忘れていた冒険心が少しずつ目を覚ましていく感覚がありました。
レオンたちはまだ未完成です。だからこそ転んだり迷ったりする姿が眩しい。伝説の英雄たちの背中を追いながら、自分自身の一歩を探している姿に自然と応援したくなります。物語の空気は優しいのに、その奥では静かに歯車が狂い出していて… … 童話とミステリーの境界を歩いているようでもありました。
もしかしたら、昔どこかへ置き忘れた「ワクワク」がポケットから見つかるかもしれません。そんな仄かな魔法を持った王道ファンタジーです。
【レビューコンテスト応募】