本作は、恋を夢見るコミカルで哀愁漂う大学生・次郎の奮闘を描くドタバタコメディだ。合唱部での過酷な日々や、叔母の悪知恵に翻弄される姿がユーモラスな一人称視点で軽快につづられる。美貌ながら曲者ぞろいの親族や女性陣とのテンポ良い掛け合い、テンションの高い語り口が読者を飽きさせない。理想のロマンスを追い求める主人公の、前途多難でどこか憎めない迷走ぶりが笑いを誘う魅力的な一作である。
テンポの良い軽快なギャグやコメディ小説を気軽に楽しみたい人、どこか空回りしつつも憎めない主人公のドタバタ劇で笑いたい読者におすすめできる。