魔王軍の最強殺戮兵器が、廃棄された。
その兵器は、多くの人類を殲滅し、多くの人間国を滅ぼした。
だが、その廃棄殺戮兵器は、ある老兵にとって、
忘れたくても忘れられない
愛しい女の顔と声、見つめ合った瞳さえ、かつてのままの女だった。
胸に穿たれた、醜い風穴。
額に残る、惨たらしい、焼き印。
親友を、同胞を、人間を、国を、殲滅し尽くした、その兵器が
かつての想い人(将来を約束した女)そのままの、愛らしさを持っていたら。
魔王軍とのし烈な戦いを繰り広げている、世界の中で
旧式兵器となって、廃棄された、かつて人間であった彼女が、
失った記憶の中の ”約束” が何かを求めて、
それを、彼に ”問う” のだ。
本当に切ない……物語。
読み終えた後からも、せまるものがあります。
第二話まで読んでの感想ですが言っちゃいます。
最高の感動をありがとうございます!!
人造兵器の女性シュトラーフェ。 生前の自分が何者だったのか疑問が湧き、獣王の元を去り人間界に姿を現します。
とてもインパクトの強い設定ながら、すでに亡くなっている女性がまわりに虐げられながらも自分の大切なものを思い出そうと行動する物語の軸からは、すでに愛と悲しみの匂いが漂っています。
シュトラーフェという名前、霊を使わない死後の人物設定、もはや比喩でさえない虚無感の描写、他にもギミックや言葉の絡繰があちこちに散りばめられているようです。
作者はこれまでも素晴しい作品を数多く書かれていますが、もう一つこの感動の名作が積み重なるのでしょう。