主人公の信吾は高校の帰り道、『禁足村の殺人』という推理小説を買ったことがきっかけで、ルリコという素性の知れない女性につきまとわれてしまいます。日を追うごとに何度も遭遇しては謎解きについて質問される執拗な振る舞い。たった一冊の本を買っただけなのに、ずるずると引き摺り込まれていく不穏な冒頭。ある時、路上で気を失い、気づいた時には禁足地として知られている『朽寄村』に連れ込まれたことを知る信吾。そこは十三年前に起こった一家惨殺事件が起こった村で、信吾が買った推理小説の舞台となっている事実から奇異な巡り合わせという他ありません。
信吾の友人も興味本位でその禁足地へ足を踏み入れてから行方がわからなくなっているから気が気でない。日常の何気ない行動一つが取り返しのつかない事態を引き起こしてしまう際どい危うさがまず読者の心を掴む強烈なフック。そして決して立ち入ってはいけない禁忌の場所ほど足を踏み入れたくなる心の動き。
人間心理を巧みに突いた作風がホラーとミステリーの両輪で駆け抜けていきます。
これは偶然なのだろうか。そう思うほど必然の蜘蛛の糸に絡め取られ、もがき苦しむほど体力を消耗し、自由を奪われた心身を狂気の色が侵食する。
ここには人間を殺すための道具も、理由も、時間も、取り憑かれた狂人たちによってすべて用意されている。
殺されるが先か、謎を解くが先か。
恐怖の緩急、自由自在。
謎の浅深、思うがまま。
外部との接触はシャットアウト。
もうこの場所から逃げられないのか。
閉塞感と切迫感とで削られていく精神力。
もう時間がない。
狂気に満ちた事件現場。迫り来る命の危険と激しいスリルに、気づけばどっぷりハマっている『危険な人間』が多すぎる本格ミステリーホラー。
あなたも日常に潜む『何か』を引かないように、消えない読後感からそっと願っています。
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カクヨム文芸界の父親、カヌレ師匠こと、黒澤主計さんの最新の長編です。
カヌレ師匠らしい、キレのよい長編ミステリーに仕上がっております。
ストーリーは、ミステリー好きの高校2年生の主人公「信吾」が、書店で「禁足村の殺人」という一冊の本を買うところから始まります。この本自体は創作ですが、実際に朽寄村という場所で、同じような殺人事件が起きたといういわくつきの本です。
その本を抱えて歩いていると、謎の美女ルリコさんが声を掛けてきます。しつこくしつこく毎日「謎を解いて……」と頼んでくるのです。
その後、信吾は、何者かに襲われて、ルリコさんとともに朽奇村に連れていかれ、惨殺事件で全滅した一家の謎を解かざるを得ない方向に追い込まれて。。というものです。
ネタバレがアレですのでこのくらいにしますが、例の家に住んでいる「殺された一家に憑依された」と思い込んでいる人たちの壊れっぷりがもうすごいんです。特に、姉の芽衣子には、読みながら「こ、この人狂ってるよ!」って戦慄すること必定。キャラ造形が抜群にいいですね。
ミステリーを書く才能の欠片もないわたくしには、「わー、すげー。よくこんなこと考えつくよなー」って感心し、緻密なトリックの構成におののくばかりでございました。これは名人の、プロの仕事です。読み進めるのを邪魔しない、丁寧だけど平易な文章もいいですね。
よいものを拝読させて頂きました。
わたくしなんぞが言うのもなんですが、このお話はお勧めです!
高校生の信吾は,見知らぬ女性に話しかけられる。
「ねえ、あなたはこの謎が解ける?」
その女性はルリコと名乗った。
「あなたには、遠くに住んでいる親戚はいない?」
「推理小説が好きなの?」
実に奇妙な質問ばかりの、ストーカーのごとく付きまとう女性を拒否していた矢先、信吾に魔の手が伸びる……。
彼女の目的はなにか?
そうして、気が付いたとき、信吾はすでに引き返せない場所にいた。
誰が、何の目的で、どうして一家は惨殺されたのか?
そして十三年前に起こった出来事の真実とは何なのか?
最後まで読んだ時に、全ての謎が解明される……!
張り巡らされた伏線を、回収すべくお読みくださいませ。
登場人物たちが、楽しいくらいに狂気に満ちていますが、ラストページに……っと、ここまでにします。
あなたが、ご自身の目でお確かめくださいませ。
【レビューコンテスト応募】
解いたものは命を奪われるといういわく付きの謎。
その謎を確かめに舞台となった村へ向かった親友の死。
そして本屋でミステリー小説を買った時に出会い、それ以降付きまとい始めたストーカー・ルリコ……。
主人公・宮原信吾にある日、立て続けに不幸な出来事が襲い始める。
愛する家族と静かに暮らしたいだけの彼に、さらなる不幸が降りかかってしまい――。
かつて起こった殺人事件、その当人たちはすでにいないのに、その当人たちの魂が憑依したと妄想する人々とのやり取りの中で事件の真相を探っていくという、前代未聞のホラー×ミステリー!
信吾は危険な目に遭いながらも、当時の朧気な情報や目撃証言を頼りに事件解決を目指します。
その過程がもうヒヤヒヤもので……!
(信吾、逃げて!と叫びたい回が盛りだくさん!)
また、どう考えても繋がりそうにない様々な謎の数々に悩まされます。
トマトの畑や、紙袋、ぬいぐるみ、悪いザリガニ、バスの中の宇宙人……。
それらが後々にハッキリと解明されると、その真相にとてつもなく驚かされました!
さらに、読後は心を浄化された気持ちになりました。
是非ともお読みいただき、謎に挑戦していただき、そして本作でしか味わえない感動を!
その問題を解いたら、死ぬ。
ミステリー好きが講じて、陰惨な殺人現場があった場所を「聖地巡礼」と評してしまうほどの主人公は、とある本がきっかけで未解決の一家殺人事件を解決するハメになる。
死体に被られた紙袋の意味、
悪いザリガニが表す言葉の意味、
謎は、異質な村と、異常な村人を伴いながら……ある悲しい真実に帰着する。
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皆様は、小説版、『リング』『らせん』が発行された日を覚えているだろうか?
少し前には小説版『パラサイト・イブ』があった。
そこから、『黒い家』『レフト・ハンド』が続き『死国』へとバトンが紡がれていった。
『D-ブリッジ・テープ』は、短い話に過酷すぎる少年の生き様が投影され、
『墓地を見下ろす家』では、家という閉鎖された空間で、逃げ場のない恐怖を植え付けられた。
これら全て、角川ホラーの作品だ。
言い方を変えよう。
私が好きだった頃の角川ホラーの作品だ!!
その作品一つ一つは、想像力を掻き立て、恐い恐いと言いながらもページを捲る指が止められない。そのようなゾクゾク感があった。
この禁足地スピリットドアには、確かにその時の角川ホラーの息吹を感じたのだ。
この話は、悲しくも恐ろしい、ミステリーホラーである。
しかし確かに、なんだか懐かしい友人に会ったような感覚を思い出させてくれた。
作家先生には感謝の気持ちを送りたい。
日本のどこかで忘れられたようにひっそりと存在する村。
そこで起こった恐ろしい連続未解決殺人事件。
主人公は友人から聞いた本をきっかけに、その村にとらわれた『異常な』人々に拘束されてしまう。
一体誰が彼らを殺したのか。
高校生の信吾は、恐怖と隣り合わせの村で謎解きを余儀なくされる。
ミステリーでありながら、ホラー味もあり、そして散りばめられたいくつもの謎と彼を追い詰める偽りの家族たち。
ハラハラと、そして狂気に恐怖を誘われます。
信吾はこの村から逃れることが出来るのでしょうか。
家族の愛と微かな疑惑、信吾が必死に隠していた哀しみはたとえようもなく心を打つものでした。
彼がこの事件を解き明かした先の未来が、明るいものであって欲しいと切に願いたくなる物語です。
ぜひ、この家族への愛を見届けてください。
不気味な、不穏な始まり。
じわじわとくる怖さ。
不可思議な事象——。
それは、十三年の時を経て、物語が動き始めたしるしだった。
高校二年生の少年、信吾は謎の女性ルリコに導かれるように……というか、彼女の登場によって一気に『日常』を侵食され、否応もなく巻き込まれていく。
十三年前の一家惨殺事件へと。
次々と現れる謎を楽しんでください。
明かされる答えに、衝撃を受けてください。
最後、エピローグまで必ず読んでください。
物語は人々の人生が交錯する中で生まれるんだ、ということがよくわかります。
きっと、心を打たれる、そんなシーンに出会えるでしょう。
細部まで緻密に作られた物語は圧巻です。
翻弄されながらも、目を離せずにほぼ一気読み。
面白かったです!!
とある村で殺害された一家。
その事件を扱った一冊の本を手に取ったときから、謎の女に声をかけられることに。
「推理小説が好きなの?」
「マーガレットの謎って知ってる?」
「クッキー焼いてきたの」
行く先々を知り尽くすかのように現れる彼女の言動に、にじみ出る違和感。
振り切れたと思った矢先、事態は急変します。
そう。いつの間にか、事件の舞台となった村に。
だけでなく、被害者となった一家の一員として振る舞わねばならない状況に。
しかし――――一家は死亡しているはず。
父や母、姉と言い張るこいつらは、誰?
いびつな関係を続ける中、明らかとなる過去と現在。
両時間軸での出来事が結び合わさった点は、救済か、あるいは奈落か。
また、それはいったい……誰にとっての?
ホラーとミステリー、さらに人間模様。
複層的に折り重なったドラマをご覧あれ。
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十三年前に起こった「朽寄村」での一家惨殺事件。その未解決事件とはなんの関係もないはずの高校生・宮原信吾が、時を越えて事件に巻き込まれてしまいます。
「時を越えて」といっても、タイムスリップするわけではありません。信吾の身にとんでもないことが起こり、逃げ出せない状況に陥ってしまうのです。
平穏な日常を取り戻すには、事件の真相を解明するしかないようで――
死体の頭に紙袋が被せられたのはなぜ?
悪いザリガニとは何なのか?
一家を殺した犯人は?
事件にはたくさんの謎がつきまとい、信吾は頭を悩ませます。
待ち構えるのは、「禁足地✕村への監禁✕狂気の家族」という緊迫のサスペンスと、そして暴走する多重解決!
信吾は真相を突きとめ、日常を取り戻せるのか!?
ホラー風味の本格ミステリー、ぜひとも堪能してください!!
友人が解いてはいけない謎を解いて自殺をした。宮原信吾は、本屋である本を手に取って買い求めた。その日から、彼の日常は侵食されるようになる。
十三年前に起きた、一家惨殺事件。この時に行方不明になったという七塚信吾。彼は生きていれば自分と同い年だと言う。
信吾に謎を解かせようとする女性。侵食されていく日常。霞がかった記憶。
そして、異常者たちとの対峙。
果たして信吾は、この謎を解くことができるのだろうか――。
本作はホラーと本格ミステリー、そしてヒューマンドラマと、見どころが多い。
読み手は信吾の一挙手一投足に注目しながら読みすすめることになる。
信吾のことを考え、心配し、彼の道行きが明るいものであるように願う。
ところが、この謎を解くためには一筋縄にはいかない。いくつもの障害が積み重なっている。
飽きさせず、続きを読みたいと思わせる筆力はさすがです。
この物語がどこに着地するのか、その結末はどうなるのか、ぜひとも最後まで読んでいただきたいと思います。
読後感がとても心地よく感じます。
オススメです。ぜひ読んでみて下さい。
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謎解きの好きな少年、宮原信吾。彼の平和な日常は、突然失われた。
心霊スポット巡りをしていた友人が、一家惨殺事件が起きた村を訪れた後に自殺。
その事件を題材にした本を買ったところ、奇妙な女につきまとわれるようになる。
さらには、命を狙われる事態に……。
読んでいると、信吾の気持ちになって恐怖に襲われたり、時には信吾のことすら恐ろしく見えたりする。
まるで悪霊が現れたかのような奇妙な現象に、恐ろしい人物描写。これはホラーなのかと背筋が凍るような思いをするが、実のところ本格ミステリーだ。
足を踏み入れるのも憚られる村で、何が起こったのか。そして、これから何が起こるのか。恐ろしくも目が離せない、傑作ミステリーをあなたに。
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