――事件より弁当!?
最初は当然、そう思いました。
「いや、事件を捜査してください!!」と(笑)
ところが読み進めていくうちに、少しずつおかしくなってくるんです。
また弁当か――と思っていたはずなのに、いつの間にか、
「で、今回は何弁当なんだ?」
と待っている自分がいる🤣
しかも毎回“弁当”が登場するのに、その役割はさまざま。
事件を邪魔したり、推理のきっかけになったり、とんでもない方向から解決へ導いたり。
そして何より、最初は「大丈夫なのかこの警部!?」と思っていた黒鉄警部が、読み進めるほど妙に愛おしくなってくる。
気づけば、
「まあ、この人なら弁当さえ絡めば何とかするだろう」
という謎の信頼まで生まれていました(笑)
一話は短く、するすると読めます。
ただし、ご注意ください。
一話だけのつもりで覗くと――
あなたもそのうち、事件より先に弁当の行方を気にしているかもしれません🍱
そう、わたしのように……🤣
本作は、なんといっても、タイパです。
短編なのに、それ以上の満足感があるためです。
そして、最大のユニークポイントは、事件より「弁当」を最優先する強烈な一点突破力です。
作者様の発想力に脱帽です。
かくいう私も、隙間時間の息抜きに読み始めたところ、「今回の弁当は?」とすでに期待値を高められている状態です。
舞台装置としては、密室殺人や爆弾解体といったシリアスな事件が用意されていますが、すぐに「お弁当の前では二の次」になってしまうコメディ展開が非常に斬新です。
作者様自身がとてもユニークな方なのだと感じます。
凶悪な難事件をもすべて「お弁当のついで」にしてしまうブレない警部の日常を、1話3分で軽快かつコミカルに楽しめる新感覚の満腹ミステリー。
ミステリーに興味がある方はもちろん、ない方でも存分に楽しめるそんな一作です。
おすすめいたします。