4年近く前に犬猿の仲と言うべき男と不倫をしたために離婚した妻が子供たちを連れて訪ねてきたというショッキングな滑り出しで始まる物語です。一体どういうことなど読者の心を掴む出だしです。普通に考えると離婚してからできた子ですから自分の子ではないのです。
物語が進むにつれ主人公と元嫁の間に何があって離婚に至ったのか、離婚した後元嫁と再婚相手となった間男に何があったのかなど詳らかになっていきます。離婚に至った経緯はもちろん離婚した側は悪いのですが、シタ妻側にもそれに至った理由があり読者によって賛否両論だと思いますが、丁寧なキャラ作りによってストーリーに重みを増しています。
また作者様の作品によく出てくる吉田調査会社さん。狂言まわしともいうべき存在で作者様の作品をこの人たち視点で見ると「吉田調査会社の事件簿」とも言えます。やっぱり出てきたとほっこりします。
タイトルの「父親の貌」の「貌(ボウ、かたち)」という文字は容貌、全貌、変貌など様々な意味を持つ文字です。この物語の全貌は?タイトルの意味は?元嫁と子供達と会ったことで主人公はどう変貌していくのか?さまざまに意味を持たせるタイトルです。
現代の男女の愛憎劇を書かせたら第一人者の作者様の時にコミカルでおそらく最後はハートフルな物語を一緒に楽しみましょう。お勧めです。ぜひご一読を!