第1話を一行も読み飛ばせなかった。
両親の自殺、気づかず口にした「少しずつでも払います」という一言で債務を相続してしまう誤算、五年間の借金地獄、そして雪山で横たわるこれを短文の連打で畳み掛けてくる。センテンスが短く、息の詰まる感覚がそのまま文体になっている。
目覚めたとき、最初の一言が「まだ生きているのか。なら、早く死にたい」だ。この人物が動き出す原動力は成功への野心ではなく、「父と競馬を見たい、母の味噌汁を食べたい、食卓を囲みたい」というただそれだけの願いだという構造が第1話で鮮明に出ている。だからこそ1990年有馬記念での最初の賭けが、金儲けではなく「父親との会話の復活」として機能するという指摘が既存レビューにあるが、まさにその通りだ。
「未来知識で無双」よりも「信頼を積み上げなければ未来は変えられない」をテーマに据えた点が、この作品を一段上に引き上げている。62話・連載中、毎日更新。氷河期世代への鎮魂歌として、また純粋な経済サスペンスとして、どちらの読み方も成立する。
これは、
やったー。人生やり直し、主人公最強物語では違います(誉め言葉)
人生やり直し作品ですが、本作が目指しているのは単なる成功や成り上がりではありません。
借金によって家族を失い、自らも絶望の果てに命を絶った主人公。そんな彼が過去へ戻り、未来の破滅を回避するために立ち上がります。
競馬や株式投資などの知識を武器に戦いますが、その原動力はお金への執着ではなく、「もう一度家族と食卓を囲みたい」という切実な願いです。
だからこそ主人公の行動一つひとつに重みがあり、気づけば応援したくなります。
お金を稼ぐ物語でありながら、その奥にある家族への想いが胸に響く作品でした。