兄者よ、この『想像が世界を食い殺したので、私は勇者候補を逆召喚する』という一作、ただの異世界ものと侮ってはなりませぬぞ。
ほう、また大仰な題を申すな。で、何がそれほど肝要なのだ。
なんと申しても、“想像”が世界を蝕むという趣向。筆ひとつで怪物を生み出す絵師、その力が災いともなる。まこと、才も使いようにて世を救いもすれば滅ぼしもする、というわけにござる。
なるほど。して、その災いにどう立ち向かう。
そこが面白きところ。勇者を召喚するのではなく、逆に呼び寄せる。三人の勇者候補を集め、それぞれの力と考えで、この歪んだ世を正そうとするのです。
三者三様か。人の数だけ正義がある、ということか。
まさしく。誰が正しきやも定かならぬ中で、進まねばならぬ。そこにこの物語の妙がござる。
ふむ、力で押し切るのみならず、思案と覚悟が問われるか。
左様にござる。奇策に見えて、その実、筋の通った物語。気づけば引き込まれ、先を知りたくなる。
ならば一読の価値あり、ということよな。
ははっ、まさに。その結末、しかと見届けたく存じまする。