子どもが持ち帰った算数テストの“割り切れない一問”を前に、父親の理系への未練や見栄、学生時代の敗北感が一気に噴き出していく様子が痛快な短編です。
式は正しいはずなのに答えが出ない――
その違和感が、父親のプライドをじわじわ侵食し、家庭内で妙な緊張感が生まれていく展開がコミカルでありながら妙にリアル。
数日後に問題の誤りが判明。
胸に残るのは達成感ではなく算数への恨みというオチも秀逸です。
解けない問題に出会ったとき、人はどう向き合うべきか。
大人の弱さと滑稽さを軽やかに描いたブラックユーモア作品です。