名には力が宿る。真名を呼ぶことにより、現象を操ることができる。それが魔法だ。孤児の少女には名が見えた。本来は王家の血筋しか持ち得ない名視の力。彼女はその目を隠した。粉挽き場にて遭遇したのは《名喰い》と呼ばれる存在。喰った名を纏う化け物。名前を失った万物は消滅する運命にある。生き延びるために真名を呼ぶ。その代償によって、自らの名前が遠のく。灰の少女は、己を忘れずにいられるか。