性別の不一致、強迫性障碍という特性を中心に自分の中の二人の自分が謎解きをしていく物語です。真相がわかったときに抱いた複雑な感情は、ホラーに匹敵する苦しさでした。また、物語の巧みさには作者の力量の高さが伺えましたし、ラストの切ない前向きさはヤングアダルト独特の切なさがありました。ホラー企画の作品としてはたしかに弱いかもしれません。しかし、「自分を見つめる勇気」が描かれたこの作品こそ、真白企画では選ぶべきだろうとも思いました。