ます主人公のウロボロス(ブーノ)のキャラクターが魅力的。
過去9回も理不尽に悪役に仕立て上げられてきたからこそ辿り着いた悪役の美学という設定が斬新で、彼のプロフェッショナルな悪役魂に拍手を送りたくなる。
それなのに、肝心の10回目の勇者がチキンすぎて開幕ダッシュで逃亡するわ、秘書のパンドラちゃんは有能すぎて秒殺しちゃうわで、最初の数分で計画が文字通り粉々に砕け散るテンポの良さに爆笑してしまった。
痛がったり絶望したりするウロボロスの心の声と、威厳たっぷりな魔王としてのポーカーフェイスのギャップが絶妙で、読んでいて飽きがこない。
そして何より、パンドラちゃんの暴走っぷりが最高にスリリングで最高。お世話の解釈を180度間違えて、まさかウロボロスが知らない間に既成事実を作ってしまうとは。主人公が人間界で最高の勇者を育てるぞ!とワクワクしている裏で、本陣の貞操と血脈がとんでもないことになっているこの、すれ違いの構造が見事。