約束は重い事だと私が認識し始めたのは、約束が他者に影響を与える事を実感してからです。
例えば、待ち合わせ時間を決めれば、その時間に友人は通常来る。そこで二十分、三十分遅刻すれば、相手の時間の自由をそれだけの数奪う結果となってしまう。だから私達は意識的にも、無意識のうちにも、相手の約束を守るし、自分の約束を守って欲しいと思う。
でも、約束は必ずしも守れるものとは限らない。
電車ならそれこそ遅延をする。二十分、三十分程度ではなく、二、三時間も遅延したら早めに外出をしても間に合おうにも間に合わない。電車なら遅延証明書を貰えば多少の言い訳は出来るだろうが、トラブルが視野に入れられてる学校の出席票じゃないのだから所詮言い訳の範疇は越えられない。結局相手の時間を奪っているし約束は守れていない。でも、そんなこと想定はしていないし想定したところでどうにか出来るものでもない。
このような『約束は守るべきもの』という焦点だけでなく『約束は守れるとは限らないもの』という部分まで焦点を宛てられているのが、本作の深い部分だと思いました。どうしようもなく守れなかった約束に出くわした時、人はそれにどう向き合えるのか。失った時間をどう思えるのか。主人公の紫乃ちゃんの健気さが胸に染みました。私もこのような人間になりたいです。