著者が若い頃に勤めた会社は「インセンティブ」の極致のような制度を採用していた。
なんと、給料の額を自分で決められる。出来高制ならぬ、出来高事前申告制だったのだ。
申告した出来高を満たすために各社員が取る行動とは⋯⋯
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人のやる気を向上させる手法には大まかに、アドレナリン(刺激)系とオキシトシン(愛着)系の2つがある。
インセンティブ制度はそのうちの前者に該当する。要するに判断基準が明確で、短期的に成果の出るやり方だ。
故に間怠っこしい後者に比べると、かなり採用しやすい。
無論、この手法には欠点がある。端的に「何かを燃やし続ける」必要があるのだ。
これが強制(ノルマ化)され、永続するとなると、相当に厄介なことになる。「躊躇いなく何でも燃やせる人」が勝者になりがちなのだ。
心を持たぬ者は、相手を燃やし、ルールやモラルを燃やし、堂々と勝ち取る。
心を持つ者は、本来1年で終わるものを5年かけて遠回りに燃やす。そうしなければ、次に燃やすのは自分自身になるからだ。
中身さえ詰まっていれば、その質や出処を問わない。それが「成果」と呼ばれるものの避けられない側面なのである。