誤解、すれ違い、切なさを育てて育てて、それをある地点で一気に爆発させる作品。
「好きになってしまうでしょう!」
この叫びは、恋愛ものを全く摂取しない私にさえ響く、心を震わせる咆哮でした。
リリアナの存在が興味深いです。
アイリーンの能動性を象徴する、半身的なキャラなのかなと感じました。
アイリーンとアルバートの関係を純化するためには、アイリーンのキャラを濃くしすぎないほうが良い。だからリリアナが動く。
カシアンも印象的です。
家には居場所がない。
図書館に忍び込み、本を読んで過ごす。
これは単なるキャラ付けというより、もっと深いところから出てきたものでは、と感じました。
全体的に導線が分かりやすく、読者が求めるものを小分けに綺麗にラッピングして手渡して、最期に特大のものがやってくる。
「あの人が自分にだけ見せてくれる弱さ」
これをストレートに放ち、世界に穴を穿つ。
ハンターハンターで言うと、「伝えたい、届けたい」放出系の能力者とお見受けします。
追記。
最初は恋愛爆弾と書いたのですが、この作品の核は恋愛の成就ではなく、ままならなさ、切なさを積んで爆発させることだと感じたため、編集しました。