本作は、WEB小説のトレンドへのアンチテーゼ、「自分の好きなものはこれだ!」を
真向から突き付けてくる傑作です。
作品全体は、硬派でスタイリッシュな近未来ギャング・バイオレンスアクション」として、構造されています。
作者様の手腕は、ついつい設定過密になりそうな世界観に対して、
文章を詰めすぎることなく、一話毎に、わかりやすく読みやすい筆力で
整理されている点です。
一点して、戦闘シーンは、サイバーパンクの醍醐味がしっかりと提供されており、
テンポの良い展開が、ストレスフリーで物語を深めます。
「男の子はこういうのが好きだろっ」と、男心をワクワクさせる要素が
これでもか盛り込まれているのもクールです。
昨今の潮流への反逆、コアなSF・ハードボイルドを求める読者様へ
ぜひおすすめする一作です。
プロローグ一話で、この作品の核心が全て語られている。
核戦争後の荒廃した近未来——政府が機能を失い、コンジットと呼ばれる個人が汚れ仕事を請け負うしかない世界。主人公レックスが単独でギャングを壊滅しながら増やしていく無機質なカウント「ひとり……二人……三人……」が、戦闘の冷徹さと孤独をそのまま文体で体現している。
セリフと動作だけで30人を片付けていく構成はアクション映画そのもので、読み始めたら止まらない。「闇の男シュヴァルツェマン」という称号が明かされる場面の緊張感も秀逸だ。
そして何より、間に合わなかったレベッカを前にした「クソッ……」という一言が刺さる。戦闘の圧倒的な強さとその内側にある感情のギャップが、このキャラクターをただの暗殺者ではなく、血の通った人間として描き出している。
サイバーパンク×ハードボイルドの化学反応が最高の一作。続きが楽しみでならない。
「ひとり……二人……三人……」と増えていくカウントが章全体を貫くリズムになっていて、それが戦闘の冷徹さをそのまま文体で表現している。派手な描写を省いてセリフと動作だけで30人を片付けていく構成はアクション映画のそれで、スピード感がある。
「闇の男(シュヴァルツェマン)」という称号、精神の電子化・肉体のレプリカ化が当たり前になった2128年という世界観、ランクによって救助すら受けられないという格差SF設定の土台がプロローグ一話で自然と提示されているのが巧みだ。
そして最後、間に合わなかったレベッカを前に「クソッ……」と吐き捨てるだけのレックスの一言が、この男の内側を最も雄弁に語る。強くて、孤独で、慈悲を持ちながらそれを表に出さないというキャラクター像が、説明ゼロで一話で完成している。
週一更新・16話で世界観の土台が固まってきたところ。サイバーパンク的な陰影のある世界観と無口な主人公の組み合わせが好きな人に、特におすすめしたい作品だ。