頑なにレモネードを飲ませまいとする春香。
前半はただ不穏――というより意図的に意味不明な展開にされていて。
何かよくないことが起きそうだな、とは感じるのですが。
しかし、後半まで通して読むと、春香の言動の意味が一気に転じて、切なさへ変わるのがとても良かったです。
夜桜の場面もすごく印象的でした。
人混みなのに音がなく、川の水音だけがして、屋台のレモネードが妙に鮮やかで、静かなのにぞくっとする空気がよく出ていたと思います。
そこから昼の学校へ戻り、「夢で逢うのは――から」という台詞が効いてくる流れもきれいでした。
最後に颯太がまた日常へ戻っていく終わり方も含めて、深い余韻のある作品でした。