異世界で現代知識を使う作品は多いですが、本作の面白さは「調剤薬局の売れ残り在庫」という、かなり地に足のついた題材を持ち込んでいるところにあります。潰れかけた薬局を支える薬剤師・杏仁が、裏口の先で異世界とつながり、そこで“こっちでは当たり前の医療知識”が大きな価値を持つ。しかも相手は王子で、ただの治療にとどまらず、薬局と異世界を同時に立て直していく構図が気持ちいいです。タイトルのインパクトも強いですが、中身もしっかり「売れ残りが役に立つ理由」と「薬剤師である主人公の強み」が噛み合っていて、続きを読みたくなる作品でした。