これは、人格の消失に興奮するタイプで『個の消失を出来る限りたくさん見たい。失われる間際にしかない魂の輝きを感じたい』とか言っちゃう系のゲームマスターによる怨霊デスマッチ(ただしクソゲー)と、それに巻き込まれた一般人(とは言い難いかもしれないが、本作の中ではその部類に含まれる)の話である。
人間でやってしまったらアウトなデスゲームだが、既に死んでいるうえ人に迷惑をかけている怨霊なら問題ないどころか助かる人もいるだろう。
作者様の描かれる絶妙なコミカルさも相まって、大変笑える一作となっている。
また、それと同時になんだか人の世の生きづらさや真に怖いものについてに思いを馳せることもできるので、大変お得な一作でもある。
いつもコミカルさと怖さが本当に絶妙なバランスで味わえるとっっっても魅力的なホラーをお書きになっており、書籍化も多数されている作者様の作品なので、その面白さは折り紙つきである。
自信を持ってオススメする素敵な作品なので、ぜひ一度読んでみてほしい。
今宵、事故物件に数十体の悪霊が呼び集められた――どれもこれも札付きの悪、生かしちゃおけないものばかりだ。生きてないけど。
ゲームマスターは高らかにデス・ゲームを宣言する。
『個の消失を出来る限りたくさん見たい。失われる間際にしかない魂の輝きを感じたい』
生者に言ったらダメなものでも、死者、それも悪霊だったらOKだよね精神で話が進んでいく。
そして、そんな魑魅魍魎のスタジアムに、生者――この物件に住む予定だったらしい男――がひとり。
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ホラーというものは、理由のない、理解を超えたものに対する恐怖で成り立っているわけであるが、
その対象は怪異であったり、主人公であったり、世界であったりそれぞれだ。
しかしごく稀に、作者ェ……となるものがある。それがこれである。