颯を追い詰める幻の声は、単なる罵倒では終わらない。読み進めるほど、それ彼自身の過去と現在を映す鏡だったことが見えてきます。誰かに傷つけられた事実と、自分から差し出された手を振り払った事実。その両方から逃げずに向き合った瞬間、物語の意味が反転してきます。タイトルの「愚物」が最後に違う意味を帯びる構成が見事でした。【レビューコンテスト応募】
自己肯定よりは自己受容。これは多くの人に共感される内容だと思う。
自分に失望し、何もかもを諦めようとしていた少年。劣等感や嫉妬、後悔、自分自身を嫌いになってしまう気持ちが重なり、読んでいて苦しくなりました。それでも、本当に一人だったのかな。見えなくなっていただけで、そばにいてくれる人はいたのかもしれません。自分の弱さや愚かさから目をそらさず、もう一度前を向こうとする姿が心に残りました。重いテーマですが、人とのつながりについても考えさせられる物語です。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(227文字)
誰もが持つ苦悩について、細やかな筆致で描かれています。私にもこのような経験があり、それだけに胸を打たれました。諦めたくなったとき、諦める前にこれを読んでほしいです。