これから先も主人公の本質はずっと「生きるためになんだってやる、貧民街の汚いガキ」のままなんだろうな、と思わされる、ピカレスク小説。個人の感想ではあるけれど、憐れみにも哀しみにも転がり得る、微妙なバランスの情動を与えてくれる、少し奇妙な小説家のお話。生まれも育ちも、人を形作る重要なファクターなのだよなと、改めてそう思わされた。