記録にはある。けれど、誰も見ていない。
この設定だけで、もう静かな怖さがあります。
大きな事件を派手に描くというより、「確認していない」「見ていない」という言葉の積み重ねで、一人の少女の存在が少しずつ薄れていくような不気味さが印象的でした。
誰も嘘をついていないのに、なぜか一人だけいなくなる。
その違和感が最後まで残る、静かで後味のある設定。
一般的な大衆には、とっつきにくいスタイルの書き方だと思います。
それでもこの形で表現をしようと考えた作者さんの意図なんかにも、思いを巡らせながら読むことができました。