勝手ながらショートショートは大きく二つあると考えています。 一つは短いテキストの中で落差を付けて驚きと衝撃を与える作品。 いま一つは短いテキストの中で余韻を残すべく丁寧に描かれて最後に語り過ぎず落とす作品。 本作は後者です。 つい語りたくなる部分を、情景で伝え、光景で魅せる。 そんな作品です。 まるで一本の上出来のショートフィルムを観るような、切なくも美しい物語がここにあります。 文芸の醍醐味の一つを、本作に見つけることができると思います。